大学院修士課程2年の早尾 啓志君(神経・筋・骨組織Lab,運動機能医科学研究所所属)の研究論文がThe Anatomical Recordに掲載決定しました.
早尾くんは遅発性筋痛(いわゆる筋肉痛)の発生についての基礎研究を行っており,今回の研究はストレプトマイシンという薬の効果を明らかにした研究です.
研究の詳細と早尾君からのコメントは以下の通りです.
研究内容の概要:
骨格筋は伸張性収縮によって損傷を生じやすいとされています。Streptomycinの投与は損傷を軽減することが報告されていますが、筋線維の膜透過性に関連した組織の状態については明らかにされていません。本研究ではStreptomycin投与後の伸張性収縮における膜透過性亢進筋線維の組織の状態について調べました。その結果、Streptomycin投与により膜透過性の亢進した組織数は減少しましたが、膜透過性の亢進した組織の状態には影響を及ぼさないことが示唆されました。
本研究は国際誌『The Anatomical Record』に掲載予定です。
研究者(早尾くん)からのコメント:
本研究結果より、Streptomycin投与後の伸張性収縮において膜透過性亢進筋線維の減少及びその組織の状態について明らかとなりました。今後は伸張性収縮に関連した膜透過性亢進と筋損傷の予防について基礎的研究をさらに進め、リハビリテーション分野への応用可能性を追求して行こうと思います。
本研究成果のポイント:
1. 伸張性収縮における膜透過性亢進を生じた筋線維の横断像の観察を行いました。
2. 伸張性収縮における膜透過性亢進を生じた筋線維の縦断像の観察を行いました。
原著論文情報
Hayao K, Tamaki H, Nakagawa K, Tamakoshi K, Takahashi H, Yotani K, Ogita F, Yamamoto N, Onishi H, Effects of streptomycin administration on increases in skeletal muscle fiber permeability and size following eccentric muscle contractions. The Anatomical Record [in press]