★江玉睦明准教授(理学療法学科,スポーツ医科学Lab,運動機能医科学研究所)らの研究論文が国際誌に掲載されました!!(2018.07.02)

江玉睦明准教授(理学療法学科,スポーツ医科学Lab,運動機能医科学研究所)らの研究論文が国際誌『Surgical and Radiologic Anatomy』に掲載されました!!

江玉先生はこれまで解剖学的アプローチよりスポーツ外傷・障害の原因解明を行っており,本研究は二分靭帯という足にある靭帯についての研究となっております.詳しい研究成果は以下のようになっております.

【研究結果】

足関節の靭帯の1つである二分靭帯は、二分するもの(踵舟靭帯と踵立方靭帯で構成)が一般的であるが、二分しないもの(踵舟靭帯のみで構成)も約30%の割合で存在することを発見!

研究の概要

足関節の靭帯の一つに二分靭帯があります。この二分靭帯は足関節捻挫をした際に損傷することがある靭帯です。しかし、二分靭帯損傷は,MRIや超音波を用いても画像診断が難しい損傷の一つとされています。そこで本研究では,大規模標本を用いて二分靭帯の形態学的特徴を明らかにすることを目的として研究を行いました。その結果、二分靭帯が踵舟靭帯と踵立方靭帯から構成されるものが68足(68%)存在しましたが、踵立方靭帯が存在せず、踵舟靭帯のみで構成されるものも32足(32%)存在しました。更に、二分靭帯は全ての標本で足の趾を伸ばす筋肉(短母指伸筋と短指伸筋)や他の靭帯(骨間距踵靭帯)の深層に位置していました。これらのバリエーションや位置関係が二分靭帯損傷の画像診断を難しくしている要因の一つであると考えられました。本研究は国際誌『Surgical and Radiologic Anatomy』に掲載予定です。

江玉先生からのコメント

江玉先生写真.jpg

本研究結果は、遺体を対象にした研究になります。今後は、足関節や足部に存在する全ての靭帯の解剖学的な研究を行っていきたいと考えています。そして、本研究結果を基に生体を対象に研究を進めていき、足関節や足部に発生するスポーツ障害の予防法の発明に繋げていきたいと考えています。

研究のポイント

1.二分靭帯のタイプ分類

江玉先生図1.jpg

1:踵舟靭帯、2:踵立方靭帯、3:背側踵立方靭帯、A:前方、P:後方

タイプⅠ:二分靭帯が踵舟靭帯と踵立方靭帯で構成

タイプⅡ:二分靭帯が踵舟靭帯のみで構成

2. 二分靭帯の位置関係(様々な組織の深層に二分靭帯が位置している)

江玉先生図2.jpg

1:短母趾伸筋、2:短趾伸筋、3:踵舟靭帯、4:踵立方靭帯、5:頚靭帯、6:背側踵立方靭帯

A:前方、P:後方