江玉睦明准教授(理学療法学科、スポーツ医科学Lab、アスリートサポート研究センター、運動機能医科学研究所)らの研究論文が国際誌『Surgical and Radiologic Anatomy』に掲載されました‼
【研究結果】
足の裏にある足底方形筋には足趾だけでなく母趾の屈曲作用を補助する作用がある?
研究の概要
人の足部・足関節は28個の骨と約30個の筋肉から構成されています。これらの骨(関節)や筋肉が調和することで地面に適応して動作を遂行することができます。今回は、足の深層に位置する足底方形筋に着目して研究を行いました。足底方形筋は、人がニ足歩行を獲得してから発達した筋肉と考えられており、そのため非常に個体差が大きく、機能的な役割についても一定の見解が得られていません。そこで本研究では、足底方形筋の機能的な役割解明のための基礎研究として、足底方形筋の個体差や周辺に存在する長母趾屈筋や長趾屈筋との関係性を解剖学的に検討しました。その結果、足底方形筋は長母趾屈筋や長趾屈筋に100%の割合で停止しており、母趾・足趾の屈曲作用の補助作用がある可能性が示唆されました。
江玉先生からのコメント
本研究結果は、足底方形筋の機能的役割解明のための一助となり、更には人の進化(歩行獲得)を考える上で有益な情報となると考えています。
研究のポイント
1.足底方形筋を形態の違いによりタイプ分類した点(図1).
QPM:足底方形筋内側頭,QPL:足底方形筋外側頭,FDL:長趾屈筋,FHL:長母趾屈筋
TypeⅠ:足底方形筋が2頭で構成.TypeⅡ:足底方形筋外側頭が欠損.
TypeⅢ:足底方形筋内側頭が欠損.
2.足底方形筋と長母趾屈筋、長趾屈筋 の関係性(付着状況)を明らかにした点(図2).
FDL:長趾屈筋,FHL:長母趾屈筋
TypeA:長母趾屈筋が第2指へ分岐,TypeB:長母趾屈筋が第2・3指へ分岐.
TypeC:長母趾屈筋が第2・3・4指へ分岐.
原著論文情報
Edama M, Takabayashi T, Inai T, Kikumoto T, Ito W, Nakamura E, Hirabayashi R, Ikezu M, Kaneko F, Kageyama I.The relationships between the quadratus plantae and the flexor digitorum longus and the flexor hallucis longus. Surgical and Radiologic Anatomy. [in press]