田口徹教授(理学療法学科,Pain Lab,運動機能医科学研究所)をプロジェクトリーダーとする「慢性運動器疼痛の理学療法のための教育モデルおよび教育拠点の構築」が9月よりスタートします!!
本プロジェクトは、「日本における疼痛治療の抜本的改革を支援する教育プログラム」の一環として、ファイザー製薬からの助成金により、国際疼痛学会と日本疼痛学会の共同事業として行われます。
現在,日本国内では肩こりや腰痛をはじめ、慢性的な運動器の痛みで困っている患者や高齢者は非常に多く,莫大な医療費の温床となっています.本プロジェクトは、田口教授をプロジェクトリーダーとし,本学理学療法学科の痛み専門教員が主体となり、日本の痛み治療を大きく改善するための教育プログラムおよび拠点の確立を目指すものです.
肩こりや腰痛など、運動器の痛みで困っている人たちはたくさんいます.
厚生労働省による国民生活基礎調査(平成22・25・28年度)より作図
日本における疫学調査※1によると、運動器疼痛は成人の約4割が罹患しており、これにより約900万人が日常生活に支障をきたしています。また、運動器疼痛は加齢とともに右肩上がりに増えるため、超高齢化社会を迎えた本邦ではその教育や治療が急務です.
※1Suka M, Yoshida K. Musculoskeletal pain in Japan: prevalence and interference with daily activities. Mod Rheumatol 15(1): 41-47 (2005).
残念なことに、このような慢性運動器疼痛に「Physical Therapy(理学療法)」を選択する人は約16%であり※2、とても少ないのが現状です.
※2Nakamura M, et al. Prevalence and characteristics of chronic musculoskeletal pain in Japan. J Orthop Sci 16(4): 424-432, 2011.
この問題を解決するためには,「理学療法の質の向上と認知度の向上が必要」であり,この難題に挑むのが今回のプロジェクトとなります.
このプロジェクトの最終目標は,運動器疼痛教育の普及と運動器疼痛の効果的治療の実現です.そのために,1)慢性運動器疼痛克服のための教育モデル/教育プログラムの構築,2)本学を中心とした運動器疼痛教育拠点の形成することを目的としております.対象は,理学療法学科の学生や医療スタッフに加え,運動器疼痛を有する患者とその家族,高齢者,アスリートです.
プロジェクト前半は新潟県を中心に,後半では全国展開を予定しています.
本プロジェクトのフローチャートと構成メンバー
今後のプロジェクトの進捗状況などの情報は随時,学科オリジナルサイトで情報を公開していきたいと思いますので,ぜひ,楽しみにお待ちください!!