高林知也助教(理学療法学科,バイオメカニクスLab,運動機能医科学研究所所属)の研究論文が国際誌『Journal of Foot and Ankle Surgery』に受理されました!!高林先生はこれまでバイオメカニクスアプローチにより足部障害や膝関節障害について研究を行っております.今回は,足関節の以上である扁平足やハイアーチについての基準値を作成する研究です.詳しい内容は以下をご覧ください.
研究内容の概要:
代表的な足部変形に扁平足やハイアーチがあり,様々なランニング障害を生じることがわかっています.それゆえ,早期にそれらの足部変形を発見・治療するために,多くの先行研究によって足部評価の基準値が報告されています.先行研究で頻繁に使用されている足部の評価法として,arch height index(AHI:内側縦アーチの指標)とarch height flexibility(AHF:足部の柔軟性の指標)があります.しかし,AHIとAHFの基準値は先行研究間で異なっており,一定の基準値が存在しないことが現状です.その原因として,性別や荷重量が先行研究間で統一されていないことが考えられました.
そこで,本研究では若年男女を対象に,様々な荷重条件下で足部形態を評価しました.その結果,AHIは全ての荷重条件下で性差を認めました.一方で,AHFは荷重条件に違いがありましたが,性差は認めないことを明らかにしました.
高林先生からのコメント:
本研究結果より,AHIを使用する際には性差と荷重量を考慮した基準値を使用する必要があり,AHFは荷重量を考慮した基準値を使用する必要があると考えられます.本研究結果は扁平足やハイアーチの評価法を再考できる基礎的知見になると考えています.
本研究成果のポイント:
①様々な荷重条件(sitting, double-leg standing, single-leg standing)で測定した点.
②性差と荷重量を考慮してAHIとAHFの違いを明らかにした点.
原著論文情報
Takabayashi T, Edama M, Inai T, Nakamura E, Kubo M. Effect of gender and load conditions on foot arch height index and flexibility in Japanese youths. Journal of Foot and Ankle Surgery. 2020.4.1.