★ 筋肉痛のある筋に対する振動付きフォームローラーは圧迫するだけでも痛みを緩和できる!!(2022.02.03)

笠原一希さん(理学療法学科18期生,応用理学療法Lab所属),村上優太さん(理学療法学科18期生,応用理学療法Lab所属),相澤 広大さん(理学療法学科18期生,応用理学療法Lab所属),中村雅俊先生(理学療法学科,応用理学療法Lab,運動機能医科学研究所)が行った研究論文が,国際誌『International Journal of Environmental Research and Public Health』に掲載されました!!
 先日,採択されました「筋肉痛のある筋に対する振動付きフォームローラーをすると痛みや関節の柔軟性が改善することを明らかに!!」の続編的な研究ですが,筋肉痛のある筋肉に対して振動付きフォームローラーの効果を検証しました.前回の研究では通常のフォームローラーの使い方であるゴロゴロと転がす方法を取りましたが,何もない筋肉でも痛いですし,筋肉痛のある筋肉に対してゴロゴロと行うのは非常に痛いです.今回は振動が行われるということを活かして,ゴロゴロとせずに振動付きフォームローラーで圧迫したときの効果を検証しました.その結果,痛みなどの改善効果があることを明らかにした研究をした内容となります.詳しい内容は以下を御覧ください.

IMG_5807.jpg今回,研究を頑張ってくれた理学療法学科18期生(応用理学療法Lab所属)の三人です.
左から村上さん,中央が笠原さん,右が相澤さんです

研究の概要
 今回の研究では遅発性筋痛(いわゆる筋肉痛)がある筋肉に対してどのような治療をするのが良いのか?という研究の続編となっております.これまでの研究で,振動をしないフォームローラーや振動をするフォームローラーを使用することで痛みを軽減することが可能であることはわかっていました.しかし,その最中には非常に大きな痛みが生じるということが問題となっておりました.そこで,振動することのメリットを活かし,単純に圧迫することで痛みが減るのではないか?と考えて,今回の研究を行いました.その結果,振動付きのフォームローラーを用いる場合,筋肉痛にある筋肉を圧迫して,振動するだけでも十分,効果がある可能性が分かりました.この結果は,振動付きフォームローラーで圧迫することは,痛みを生じさせにくく筋肉痛の痛みを緩和する介入方法になると思いますので,今後,様々なアスリートや高齢者での応用をしていきたいと思います.

中村先生からのコメント
201126nuhw_108.jpg
 レジスタンストレーニング(筋力トレーニング)が様々な人に取ってメリットがあることは多くの人が知っている事実だと思います.しかし,このレジスタンストレーニングの問題としては,運動をおこなっている最中や後の疲労感,次の日に生じる遅発性筋痛(筋肉痛)が問題だと思います.私自身はトレーニングによる筋肉痛はあまり気にしませんが,特に運動に不慣れな人や高齢者・患者様では大きなトレーニングを続けられない理由となります.今回は比較的,痛みの少ない状況で振動付きフォームローラーを行う方法を提案できる研究成果です.これで筋肉痛を恐れずにレジスタンストレーニングができると考えられます.

本研究のポイント
1.振動付きフォームローラーの効果を検討した点
図1.jpg
本研究で用いたフォームローラー
振動の強さをボタン一つで決定できます.
2.フォームローラーをゴロゴロせずに圧迫するだけで使用した点

図2.jpg
通常はゴロゴロと動かすのですが,圧迫するだけで筋肉痛の痛みを和らげる効果があります

 
  
原著論文情報
  

Nakamura M, Kasahara K, Yoshida R, Yahata K, Sato S, Murakami Y, Aizawa K, Konrad A. The Effect of Static Compression via Vibration Foam Rolling on Eccentrically Damaged Muscle. Int J Environ Res Public Health. in press