内山祈さん(理学療法学科18期生、大学院急性期理学療法コース
研究背景:
足関節周囲筋の一つである後脛骨筋は、足部の舟状骨や内側楔状骨に付着することから内側縦アーチの保持に重要であることが古くから報告されています。後脛骨筋の付着部位は非常に多岐にわたり、一定の見解が得られておらず、さらに付着面積は明らかにされていませんでした。
そこで本研究では、大規模標本を用いて後脛骨筋の付着部位及び付着面積の表面積を明らかにすることを目的としました。その結果、舟状骨、内側楔状骨、外側楔状骨への付着が全標本(100足)で存在し、最大9つの部位(骨)に付着していました。付着面積に関しては、舟状骨、内側楔状骨、外側楔状骨の付着面積が全体の約7割を占めていました。本研究結果から、付着面積を定量化したことにより、舟状骨、内側楔状骨、外側楔状骨への付着面積が大部分を占めていることが明らかとなり、3つの付着部位が足部アーチ(内側縦アーチ・外側縦アーチ)の安定性に寄与する可能性が示唆されました。
本研究結果は、国際誌「International Journal of Environmental Research and Public Health」に掲載予定です。
内山さん・江玉教授からのコメント:
今回の基礎的な知見を活かして、今後は扁平足障害などを持ったアスリートの特性を検討していき、傷害予防や治療方法の考案に向けて研究を重ねていきたいと思います。
研究成果のポイント:
① 後脛骨筋の付着部位を明らかにした点(7つのTypeに分類)。
原著論文情報:
Uchiyama I, Edama M*, Yokota H, Hirabayashi R, Sekine C, Maruyama S, Shagawa M, Togashi R, Yamada Y, Kageyama I. Anatomical study of sites and surface area of the attachment region of tibial posterior tendon attachment. International Journal of Environmental Research and Public Health. 2022. [In-press].