【大学院生の活躍】井上創太さん博士後期課程1年,神経生理Lab,運動機能医科学研究所)と田口徹教授(理学療法学科、PainLab、運動機能医科学研究所)らの研究論文が「基礎理学療法学」の2022年度最優秀論文賞を受賞(2023.04.14)

井上創太さん博士後期課程1年,神経生理Lab,運動機能医科学研究所)と田口徹教授(理学療法学科、PainLab、運動機能医科学研究所)らの研究論文が「基礎理学療法学」の2022年度最優秀論文賞を受賞しました!

タイトル:社会的敗北ストレスモデルラットでは侵害刺激に対する脊髄後角表層ニューロンの興奮性が増大する

研究者からのコメント:
井上_コメント用写真.jpg
今回はこのような賞を頂き大変光栄です.本研究は,精神的なストレスが痛みの伝達経路である脊髄の興奮性を増大させることを明らかにしました.これまで,精神的ストレスが慢性的な痛みに与えるメカニズムは不明な点が多かったですが,本研究の結果はそのメカニズム解明の一助になると考えています.今後も,様々な研究成果を発信できるよう研究活動に励みたいと思います.

研究概要:
 近年、いじめやハラスメントなど、長期にわたるストレスが痛みの発症や増悪に関わることが明らかになっています。しかし、このような痛みの機構については十分に解明されていません。本研究では、社会的敗北ストレスのモデルラットを用い、痛みの神経マーカーである「c-Fos」タンパク質陽性細胞の発現部位や数を指標に、社会的敗北ストレスにともなう痛みの脊髄機構の一端を明らかにしました。

本研究成果のポイント:
広報用 (原稿) 井上最優秀賞コメント (図).jpg

図A:赤い点は痛み刺激で活性化した神経を示す。
図B:脊髄後角の各部位におけるc-Fos陽性細胞数。
社会的敗北ストレスを受けたラットでは、痛み刺激を受けたホルマリン投与側の後角I-II層において、脊髄神経(が強く活性化していることがわかる。

原論文情報:
井上創太,太田大樹,田口徹.社会的敗北ストレスモデルラットでは侵害刺激に対する脊髄後角表層ニューロンの興奮性が増大する.基礎理学療法学 2022, 25(1): pp. 35-42, DOI: https://doi.org/10.24780/jjptf.JJPTF_2022-03

理学療法学科公式Instagramはこちら

理学療法学科学生公式Instagramはこちら