【大学院生の活躍】小島将さん(理学療法学科14期生,博士後期課程3年,運動生理Lab,運動機能医科学研究所),椿淳裕教授(理学療法学科,運動生理Lab,運動機能医科学研究所)らが行った研究論文が,国際誌『Geriatrics & Gerontology International』に採択されました!!(2023.09.08)

研究の概要:
運動耐容能は,加齢に伴い低下する生理学的な予備能を示し,血液透析患者の生命予後を規定する重要な因子の一つです.一方で,フレイルは,健康と要介護の間の虚弱な状態を示し,生理的予備能が低下した状態とされています.血液透析患者における運動耐容能とフレイルの関連は,相互に関連することが示唆されますが,これまでこれらの関連は明らかになっていませんでした.そこで本研究は,心肺運動負荷試験から得られた運動耐容能(peakVO2)とフレイル表現型(ロバスト,プレフレイル,フレイル),フレイルの構成要素との関連を調査しました.
その結果,フレイルの進行に伴い,peakVO2が低下することが明らかとなり,フレイル構成要素の内,歩行速度低下と身体活動量低下が特にpeakVO2低下と関連することが明らかとなりました.血液透析患者のフレイルの進行を予防・改善することは,運動耐容能の維持・向上に寄与する可能性があり,特に歩行速度と身体活動量に着目する必要性が示唆されました.

小島さんからのコメント:
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本研究では,血液透析患者のフレイルと運動耐容能が関連することが明らかになりました.また,比較的元気なロバスト群でも運動耐容能が低値であることも確認されました.フレイルの進行が運動耐容能の低下に関与するだけでなく,身体機能が保たれている患者でも,運動耐容能が低下している可能性があり,早期からの運動介入が必要だと考えられます.

本研究のポイント:
運動耐容能(peakVO2)はロバスト,プレフレイル,フレイルの順にフレイルの進行に伴い有意な低下を示しました.
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論文情報:
Relationships between frailty and exercise capacity in patients undergoing hemodialysis: a cross-sectional study. Sho Kojima, Naoto Usui, Akimi Uehata, Hideki Hisadome, Akihito Inatsu, Takahiko Tsuchiya, Takayuki Mawatari, Atsuhiro Tsubaki, Geriatrics & Gerontology International (in press).

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