緒方嵩人さん(大学院生,バイオメカニクスLab,運動機能医科学研究所)らの研究論文(卒業研究)が,雑誌『水泳水中運動科学』に採択されました!(2023.11.1)

研究内容の概要:
競泳競技における基本姿勢とされているストリームライン姿勢(以下:SL姿勢)は,競技レベルに関わらず重要な技術です.SL姿勢は上肢挙上位を取ることから胸椎伸展が生じますが,胸椎伸展運動が不足すると代償的に腰椎前弯角度は増加してしまいます.また,胸椎は脊椎の中で最も多く,上部・中部・下部で主な機能が異なるとされているため,分節ごとの評価が重要となります.しかし,SL姿勢における各胸椎の動きが腰椎前弯角度に与える影響は明らかになっておりません.本研究は臨床現場でSL姿勢評価法として多く用いられている立位SL姿勢における上部・中部・下部胸椎角度と腰椎角度の関連性を検証しました.結果は腰椎角度変化量と上部胸椎角度変化量の間に有意な負の強い相関関係が認めらました.これは上部胸椎の伸展方向の変化が大きいと,腰椎前弯が減少する方向への変化が大きいこと示しております.これらの結果は,立位SL姿勢における腰椎の動きには上部胸椎の動きが重要であることを示唆しています.本研究成果は,『水泳水中運動科学』に掲載予定です.

研究者からのコメント:
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 本研究では,立位SL姿勢時における上部胸椎角度伸展方向への変化が大きいと,腰椎前弯角度が減少する可能性があることが示唆されました.そのため,上部腰椎へのアプローチは,腰椎前弯角度を減少させ,腰痛予防やパフォーマンス向上に繋がる可能性があります.

本研究成果のポイント:
1, 立位SL姿勢時には上部・中部・下部胸椎において伸展が生じる点
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2, 上部胸椎の伸展方向への変化が大きいと,腰椎は前弯が減少する方向への変化が大きくなる点
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原著論文情報:
緒方嵩人,高林知也,遠間悠貴,菊元孝則,久保雅義 :立位ストリームライン姿勢における上部・中部・下部胸椎角度と腰椎角度の関連性

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