2024年4月より理学療法学科の助教に着任しました小林壮太と申します。
2018年に群馬大学を卒業後、回復期リハビリテーション病院での6年間の勤務しながら大学院を修了し,現在に至っております。
私自身も臨床現場でリハビリテーションに携わっている際、不確実性の高いものが多く、非常に多くのことで悩みました。そのため、この不確実性の高さを少しでも減らすことを目標に研究活動を取り組んでおります。
研究紹介
1) 入院中の大腿骨近位部骨折後の歩行補助具に基づくBerg Balance Scaleのカットオフ値とバランス要素
歩くために重要な骨の1つに大腿骨という骨があり、大腿骨を骨折してしまうと歩行能力が低下してしまいます。大腿骨を骨折した患者様が再び歩行できるようになるために、理学療法場面ではバランス機能を高める練習を行うことがあります。バランス機能評価の1つであるBerg Balance Scaleを用いて、大腿骨近位部骨折後の患者様が杖歩行を獲得するためのカットオフ値は46点、補助具なしでの歩行を獲得するためのカットオフ値が52点であることを明らかにしました。
2) 入院中の脊椎圧迫骨折後の高齢女性におけるBerg Balance Scaleの臨床的意義のある最小変化量(Minimal Important Change: MIC)
評価尺度を解釈する上で、どのくらいの変化が誤差か、あるいは臨床的に意味のある変化かという解釈が重要であり、MICは後者の臨床的に意義のある最小の変化量のことを指します。本研究では脊椎圧迫骨折後の高齢女性におけるBerg Balance Scaleの5~6週間でのMICが7点であることを明らかにしました。
原著論文情報:
1)Cut-off values and sub-items of the Berg Balance Scale for walking-aid use in hospitalized older adults with a hip fracture: a retrospective analysis: Physiother Theory Pract. 2023 Jun. doi: 10.1080/09593985.2022.2037114.
2)Minimal important change in the Berg Balance Scale in older women with vertebral compression fractures: A retrospective multicenter study. PM&R. 2023 Oct. doi: 10.1002/pmrj.13092