大河内偉琉さん(修士課程2年,スポーツ医科学Lab,運動機能医科学研究所)と平林怜講師(理学療法学科,スポーツ医科学Lab,運動機能医科学研究所)の研究論文が,国際誌『Healthcare』に採択されました!
研究内容の概要:
反復他動運動(RPM)は,円滑な関節運動に寄与する脊髄相反性抑制を増強させる介入法です.RPMは広い範囲を速く動かすことで効率的に脊髄相反性抑制を増強させますが,関節可動域制限などによって効率的なRPMの実施が困難となる可能性がありました.本研究では,視覚的運動錯覚に着目し,RPMによる関節運動を行わずに,映像でRPMを実施している対象部位を見せることで脊髄興奮性が変調するかを検証しました.本研究結果より,RPMの視覚的運動錯覚は脊髄興奮性を変調させることを明らかとなりました.本研究成果は,国際誌『Healthcare』に掲載されました.
研究者のコメント:
本研究結果より,RPMの視覚的運動錯覚は脊髄興奮性を変調させる介入法であることが明らかとなりました.将来的にRPMの視覚的運動錯覚が,円滑に関節運動を行うために重要な脊髄相反性抑制を増強させるかを検証することで,関節運動の向上に有用な介入法であるかを明らかとする必要があると考えています.
本研究成果のポイント:
①前脛骨筋(TA)における脊髄興奮性は,RPMの視覚的運動錯覚介入中にて有意に増大することが明らかとなりました.
②ヒラメ筋(Sol)における脊髄興奮性は,RPMの視覚的運動錯覚介入中から介入後にて有意に減弱することが明らかとなりました.
原著論文情報
Okouchi T, Hirabayashi R, Nakashima S, Abe A, Yokota H, Sekine C, Ishigaki T, Akuzawa H, Edama M. Supraspinal Activation Induced by Visual Kinesthetic Illusion Modulates Spinal Excitability. Healthcare (Basel). 2024 Aug 26;12(17):1696. doi: 10.3390/healthcare12171696. PMID: 39273721; PMCID: PMC11394766.