明けましておめでとうございます.
本学で理学療法教育が始まってから25年を迎えようとしています.本年も,大学の使命である「教育」,「研究」,「地域貢献」の活動をさらに進めるべく,新年を迎え教員一同が気持ちを新たに取り組んで参ります.ご指導ご鞭撻を賜りますよう,お願い申し上げます.
2023年5月の第76回世界保健機関WHO総会で,保健システムにおけるリハビリテーションの強化に関する決議が合意されました.リハビリテーションをユニバーサル・ヘルスの目標を達成する上での極めて重要な要素と位置づけており,理学療法士にも広い視点での活躍が求められています.
また2024年12月に公開されたある調査機関の報告によると,世界規模で見た場合の理学療法・リハビリテーションの市場規模は急激に成長することが予測されています.需要の高まりがこの成長を推進しているとの見解です.特に日本を含むアジア太平洋地域の成長率が世界で高くなることが見込まれており,我々理学療法士に対する期待は高まるばかりです.
本学理学療法学科では,欧米だけでなくアジア地域の理学療法士養成大学との交流を長く継続しており,学生教育の一部にも組み込んでいます.求められる理学療法士教育はもとより,世界的な理学療法のニーズに対応できる教育を継続して進めて参ります.
在学生の皆さん
対面での授業が中心となり,座学や演習など,将来の自分の姿を想像して学業に励んでいることと思います.また臨床実習を通じて,卒業後にあるべき姿が鮮明になったのではないでしょうか.在学中の皆さんの取り組みが皆さん自身の実になることはもちろんのこと,対象となる方の回復の糧になります.
卒業生の皆さん
皆さんの活躍は,様々なところから耳に入ってきており,教員一同大変うれしく感じています.新潟医療福祉大学での学生生活で培った力やそれを基に卒後の身につけた能力を武器に,今後の人生を実り豊かなものにしてください.また,同窓会組織の活動に参加いただき,ありがとうございます.定期的なミーティングが行われており,卒業生の皆さんが参加することでその歩みを進めることができます.まだ参加していない方は,まず一度参加をしてみてください.
臨床実習を受け入れてくださった施設の関係者の皆様
この場をお借りして改めて御礼申し上げます.受け入れを下さったおかげで,4年生は長期実習を無事に終え,国家試験の合格に向けた取り組みを進めています.3年生は臨床実習を経験し,自身に足りないところが明確になり,学業への取り組みのギアが数段階上がりました.2年生は現場でしか得ることのできない情報を自身の目で,耳で,肌で感じることができ,目指すべき将来がより具体的になりました.至らぬ点が多々あったことと思いますが,ご指導いただきましたことに深く感謝申し上げます.本年も本学へのご協力とご支援を賜りますよう,よろしくお願い申し上げます.
一般の皆様
本学理学療法学科に関心を寄せて下さり,大変ありがとうございます.「優れたQOLサポーターの育成」を本学の建学の精神として掲げ開学から25年近く経過し,本学科の卒業生は1,800名を超えました.優れたQOLサポーターとして,様々な領域で活躍しています.理学療法学科の教育の特徴として,基礎領域から専門領域までをカバーできる十分な業績と指導力を備えた教員が所属していることに加え,複数の教員で組織する研究グループがあり,それとリンクする教育が行われていることが挙げられます.大学院に進学する割合が全国的に見ても高いことにも,それが現れています.
論文としての成果の公表だけでなく,外部からの研究資金の獲得にも積極的に取り組んでいます.大学の研究力を推し量る指標の一つに,科研費※があります.令和5年度は,スポーツ科学やリハビリテーションを含む分野において,全国の有名大学,マンモス大学が上位に入る中,新潟医療福祉大学は単独第3位であり,東京大学を追い抜きました.このように,高い研究力を背景とした質の高い教育を提供できることが,本学の強みです.この状況に満足することなく,教員一同が教育研究力の更なる向上に取り組んで参ります.
出典:文部科学省研究振興局「令和6年度科学研究費助成事業の配分について」
※学術振興を目的として交付される助成金.文部科学省と日本学術振興会が公募し,関連分野の研究者による審査を経て交付される.大学の研究力に関する指標の1つ.
本年もご指導ご鞭撻を賜りますよう宜しくお願い申し上げます.
2025年1月1日
理学療法学科
学科長 椿 淳裕