山本陸央さん(新潟医療福祉大学理学療法学科21期生、当時4年生)、田口徹(理学療法学科教授)らの研究論文が国際誌に採択されました!

山本陸央(新潟医療福祉大学理学療法学科21期生、当時4年生)、田口徹(理学療法学科教授)らの研究論文が2025年2月28日付で 「Neuroscience Research」 誌に受理されました。

「ストレス誘発性疼痛」 の動物モデルにおいて、筋への痛み刺激が脊髄後角ニューロンを過剰に活性化することを見出しました。ストレスが引き金で生じる慢性難治性疼痛のメカニズムの一端を、神経解剖学的手法を用いて解明した成果です。本研究は名古屋大学および常葉大学との国内共同研究により実施されました。

【研究概要】

慢性筋痛の発症・増悪には、持続的なストレスが強く関与すると考えられていますが、その詳細な神経メカニズムはよく知られていません。本研究では、肉体的および精神的要素を含む複合持続ストレス(MCS)を負荷したモデルラットの筋に対して痛覚神経を活性化するカプサイシンを投与したところ、痛み関連表情スコアが上昇しました(図A, B)。また、カプサイシン筋注により、神経活性化の指標であるc-Fos陽性細胞の発現が、MCSモデルラットの脊髄後角において広範囲にわたり増加しました(図C~E)。一方、MCSモデルラットの筋痛覚神経応答には変化がみられませんでした。これらの結果より、MCS誘発性の筋痛には、末梢ではなく、脊髄ニューロンの興奮性増大が関与することがわかりました。

 

【研究者からのコメント】

 

2年生からPain Labに出入りし、3年生から正式にラボ配属となり、以前から興味のあったストレス誘発性痛覚過敏(SIH)をテーマに取り組みました。実験動物の世話から、モデル作製、組織採取、染色、データ解析まで、細かい作業が多く大変でしたが、得られた結果にとても満足するとともに、基礎研究の大切さや大変さを実感することができました。今後もSIHのメカニズム解明をさらに進め、慢性痛を抱える方々の役に立てるよう、頑張りたいです。

 
  
原著論文情報
  

Rikuo Yamamoto, Koji Wakatsuki, Masaya Yasui, Hiroki Ota, Kazue Mizumura, Toru Taguchi. Spinal nociceptive hypersensitivity induced by intramuscular capsaicin in rats subjected to multiple continuous stress. Neuroscience Research. DOI: 10.1016/j.neures.2025.02.009