教員研究紹介

奈良 貴史

奈良 貴史

最後の隣人と呼ばれるネアンデルタール人類の形態学的特徴を検討することによって我々ホモ・サピエンスがどうして地球上に生き残って来たのかを明らかにし,人類の存在理由を考えています。また、遺跡から出土する人骨からいかにして多くの情報を得られるかを探求しています。

澤田 純明

澤田 純明

骨組織形態学的検討に基づく微小骨片の種同定

旧石器時代の人びとがどんな動物を狩猟していたのかを探るため、北海道柏台1遺跡の炉跡から見つかった約2万年前の焼骨片をスライスして顕微鏡で観察し、その微細構造を様々な動物の骨組織形態と比較検討して、これがシカの仲間であることを明らかにしました。

ネアンデルタール幼児の骨組織形態

シリアのデデリエ洞窟で見つかった2歳のネアンデルタールの大腿骨組織形態を分析し、現生人類のホモ・サピエンスとは、幼児期の骨成長や骨リモデリングが明らかに異なることを示しました。

萩原 康雄

萩原 康雄

江戸時代人骨に認めた多発性吸収性関節炎

江戸時代人骨に認めた病的所見の疾患鑑別を行い,この人骨が乾癬性関節症,関節リウマチ,ハンセン氏病のいずれかであった可能性が高いことを明らかにしました.

縄文時代人腓骨の形態学的特徴

縄文時代人の腓骨を,弥生時代人,中世人,江戸時代人,現代人と比較し,縄文時代人の腓骨が非常に頑強であること,また,縄文時代人の腓骨の頑強さには性差や縄文時代内の時期差が存在することを明らかにしました.

佐伯 史子

佐伯 史子

Anatomical Methodによる縄文時代人の身長とプロポーションの復元

縄文時代人20体を資料として頭骨・脊柱・下肢骨を解剖学的に連結し、骨格から直接に身長とプロポーションを復元して、身長に対する下肢長の比が東アジア集団の中では比較的高い値であることを明らかにしました。

野々前貝塚縄文時代人骨の生物考古学的研究

岩手県野々前貝塚から出土した縄文時代晩期人骨5体の形態人類学的および理化学的分析を実施し、外耳道骨腫や頸椎の椎間関節炎の出現頻度が高いことを明らかにして、その生活環境の特異性を議論しました。

佐宗 亜衣子

佐宗 亜衣子

形態学および古病理学的分析による過去の人々の生活復元、形態的分析に基づいた現代日本人集団の成り立ちの研究

遺跡から出土した古人骨にみられる怪我や関節炎、外耳道骨腫、変形性脊椎症、齲蝕など、様々な活動の痕跡や病気の痕を通して、過去の人々の健康状態や生活水準、男女差、社会構造の解明を試みています。また、関東地方から出土した古人骨を中心として過去から現在への形態的変化をみることで、どのような過程により現代の日本人となったのかについて研究しています。